月 の 上

薬指で思い出す

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7月にプロポーズをして、11/3に婚姻届を提出した。
「婚約指輪はいらない」と言うので、二人で大阪の店に行き、結婚指輪のオーダーメイドを依頼した。


先日、本製作前の仮リングが届いた。
仮リングを着けた状態で一週間ほど生活してみて、サイズやデザインについて気になる事があれば修正し、本製作へと進む。

指を通してみると、少し大きすぎたようだ。
付け根の部分では2mm以上余裕がある。
関節で止まるのでそう簡単には外れないのだけど、不安定だし、他の指や荷物に干渉することになる。


そうして、日常のあらゆる場面で、少しずつ気を遣うようになった。


階段を降りるときは右側の手すりを掴む。
ノートPCは右脇に抱える。
バスの吊革には手首を通す。


大事なものを庇うように振る舞うことで、自分に大事なものがあることを知る。


時々リングが抜けてしまいそうになると、これまで積み上げてきたものを失うような気持ちになる。
慌てて手を引き戻し、大切な思い出を掴むように、指を握りしめる。

関節のあいだで遊ぶリングを、気がつくと右の指で触っている。
その度に、自分がそれをしていることを、二人で指輪を買いに行ったことを、その人とこれからずっと生きていくことを思い出す。


本制作のリングは、少し大きいままにしておこうと思った。



例のやつ